前回までで、知識不足の募集人がどんな提案をして、お客がどう損をしているのかを見てきました。でも、すべての募集人が悪いわけではありません。なかには「人生に本気で寄り添ってくれる人」もいます。
問題は、それをどう見抜くか。
今回は、私が実際に現場で「この人は信頼できる」と感じた募集人の共通項を質問形式にしてみました。是非、3つの質問をあなたの担当さんに投げかけてみてください。
信頼できる募集人を見抜く3つの質問

質問①:「なぜこの商品をすすめるのですか?」
保険営業で一番多いのが「説明はあるけど、根拠がない」提案。信頼できる募集人は必ずこんなことが返してくれるはずです。
「一日当たりの入院時自己負担金額は約5000円です。その部分を医療保険の日額保障で持っておいたら安心ですよね。この商品は10日以内の入院は1律10日分給付金がもらえるので短期入院でも安心です」
「働けなくなった場合、傷病手当金が給与の2/3でます。しかしここから社会保険料も差し引かれるのでそれら+給与1/3の分を就業不能保険でカバーしておいたら安心ですよね。死亡保障は不要なので就業不能保障のみであればこちらの商品が支払い要件が幅広いんです」
この“なぜ”に対して、周辺知識やデータ、数字でしっかり比較で説明できるかが信頼度の分かれ目です。
一方で、こんな回答をする人は要注意。
「いまこの商品利率いいんです。大体2年で目標額の110%達成してるんです。楽しみですね~」
「A社が今は人気ですよ」(※根拠資料がない場合はレッドカード)
根拠数字がないのは、募集人本人が細かく理解できていないからです。もしくは、手数料や保険会社と仲がいいなど他社ではなくこの商品だけを売る理由がほかにあるからです。
こういう募集人は「イメージ」を働かせる話ばかりしてきますので要注意です。
質問②:「この保険を解約・払い済みにした場合はどうなりますか?」
この質問をすると、知識の深さ・どういう思いで販売しているかが一瞬でわかります。
信頼できる募集人は、このように聞いてくるお客様のリスクまで考え、しっかりと説明してくれるはずです。必要あれば再度ニーズをヒヤリングして、商品提案してくれると思いますよ。
「3年以内に解約すると返戻率が80%を切るので、その間に資金が必要な可能性があるなら向いていません。なにか使う予定か、ご不安がありましたか?」
「払い済みにしたら保険料は払わなくていいですが、保険金額が減るので保障が減ってしまいます。保険料がしんどいのであればほかの形の保険で検討しますか?」
逆に知識が浅い人ほどこう言います。
「解約は3年はしないほうがいいです。3年頑張りましょう。そしてどうしてもしんどかったら払い済みは将来できるんで、その時は払い済みにしましょう」
解約控除が何年かかる。払済にしたら保障額が減る。などデメリットをきちんと話してくれない募集人は、そもそもよくわかっていないか、自分がデメリットを被らないためにふんわり回避しいているのかもしれません。
質問③:「他社と比べて何が違うんですか?」
複数社を扱う代理店なら、比較力があって当然。どこの代理店も定期的に保険会社の勉強会も受けているので、新しい商品もしっているはずです。でも実際は、比較できない募集人が多いのが現実です。
しかし、信頼できる募集人はこう言います。
「A社は保険料が少し安いですが、将来の見直しがしづらいです。B社は特約の中途不可ができるので、将来的に設計変更しやすいです。またB社は短期の入院なら簡易請求できて支払いも即日で早いですよ。」
数字と特徴を使って、お客の人生軸で説明してくれる。また保険会社の特徴や保険金支払いなど保全に関しての情報も教えてくれたら、保険に詳しい募集人なので「あたり」です!
逆にこういう回答をする人は要注意。
「この商品が一番保険料安いんです。新発売ですし!人気ですよ。自由診療にも対応してます。」
勧めたい商品の説明はすごい量だけど、他社の説明は設計書で保険料を見せられる程度。こんな場合は他社の商品をよく知らないケースが多いです。
また、1商品はメリットが多く、もう1商品はデメリットが多い場合は、1つは手数料が高い商品なので売りたい商品であることがほぼ間違いないでしょう。
私が出会った信用ならない募集人たち

私自身もかつて募集人として働いていたので、募集人の立場や気持ちはよくわかります。会社から「この商品を売れ」と指示されることもありますし、自分の昇格のために高額保険をたくさん契約してもらう必要があることもあります。
募集人も生活のために保険を売っているわけで、ある意味それは仕方のないことです。ですが、その中には「保険のプロ」とは言い難い提案をしてしまう人も少なくありません。
今回は、私がこれまで出会った印象的な募集人の提案手法を、反面教師としてご紹介します。
根拠のないライフプランで提案する募集人A
募集人Aさんは、人懐っこくて誰からも好かれるタイプの「優績者」でした。見た目からは、とても保険で人を操ろうとしているようには見えません。
Aさんの販売手法は「ライフプランシミュレーション」を作って提案することです。独身のお客様には、「何歳で結婚したいですか?」「家は買いますか?」「子どもは何人欲しいですか?」といった質問をし、すべて叶えた場合の将来資金不足を算出します。
そして、その不足額をすべて保険で埋める提案をするのです。収入保障には就業不能保険を付け、医療・がん保険は生涯分、介護や老後資金、死後整理費用まで変額保険などでまとめてカバー。
一見、ライフプランに基づいた数字で提案しているように見えます。しかし、ここで作られるライフプランは、ほとんど「妄想」に近い内容です。人生は計画通りに進まないことも多いのに、現実味のない前提で保険を組んでしまうことが問題です。
提案プランをテンプレ化する募集人B
一方、募集人Bさんはとにかく数字に強いベテランで、強気な販売手法が特徴です。とにかく件数をこなすので、提案する商品やプランは決まっています。
医療保険・がん保険・終身(変額)保険の3つだけでしかも商品は1商品ずつ決まっています。さらに、全年齢向けの設計書を用意し、すべてのお客様に同じプランを当てはめるのです。
聞いたときは「効率的だな」と感心しましたが、お客様にとっては「個別相談したのに、私専用のプランではない」とガッカリすることもあります。それでも、この方法で毎月膨大な件数を契約に結びつけられるのは、正直驚きです。
まとめ

信頼できる募集人は、「売る前に、お客さまの人生を守ることを考えている人」です。どんなに感じがよくても、根拠のない説明や都合の悪い情報を隠す人には注意。逆に、データ・リスク・比較の3点を丁寧に説明できる人なら、安心して人生を預けて大丈夫。
今回の記事をご参考に、是非「自分が信頼できる募集人」を見つけてみてくださいね。信頼できる募集人さんにあえば、一生つきあっていけると思いますし、保険だけではなく相続、不動産売買、お金にまつわるいろんな分野で助けてもらえると思いますのでなかなか侮れないですよ(笑)
まずは誰に相談したらいいかわからない・・・という方ですでに保険に入っている方は「パシャって保険診断」というアプリを活用すると相談しやすいと思います。
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次回は、実際に“信頼できる募集人”と出会うために、「信頼できる保険営業マンはこう探せ!」をご紹介しますので、これを見てから保険相談・・・というのもありですね。こうご期待!


