誰でも取れる「保険の販売資格」の裏側。知識ゼロでも“保険のプロ”になれる現実

保険

保険の販売資格って、実は「誰でも取れる」って知っていますか?

私は日々、代理店でさまざまな募集人(=保険を販売する人)を見ています。 「このお客様にどんな商品を提案したらいい?」と相談を受けることも多いのですが、 正直、最近うんざりすることが増えました。

知識がない。文章を読む力もない。

それなのに“それっぽい”ことを言って、 お客様に次々と保険を売って稼いでいく。 お客様は何も知らないから、 「この人が言うなら正しいんだ」と信じて加入してしまう。

でもその裏で、資産を目減りさせたり、 保障を減らしてリスクにさらされたりしている人がたくさんいます。 (しかも本人が気づかないまま……)

私は保険は「お客様の大事なお金を守る仕事」だと思っています。このゆがんだ保険販売の現実を日々目の当たりにして、みなさんに本音をしっかり伝えていきたいと思ったので記事にすることにしました。

今日は、そんな「誰でも取れる資格」構造ができあがっている背景をみなさんにご紹介します。

保険の販売資格「生保一般課程試験」とは?

保険を販売するには「生命保険募集人」という資格が必要です。 その第一歩が、生命保険協会が運営する「生保一般課程試験」です。

でもこの試験、実は驚くほど簡単。

合格点は70点。全問マークシート式で、 過去問を2年分ほど答えを見ずに解けるようになれば、 90点台はほぼ確実に取れます。 生命保険会社の総合職社員だと 「100点以外はあり得ない!」なんて言われるレベル。 (ちなみに私は3〜4回受けてますが、100点は取れたことがありません笑) 私の周りでも、この試験に落ちた人は見たことがないです。

この試験に合格すると、保険会社が財務局へ届出を行い、 「募集人」として登録されます。 それで、翌日から保険を販売できてしまうんです。 (外貨建て保険・変額保険も、似たように別の試験で取れます)

想像してみてください。 隣の奥さん、向かいの元ヤン。

――はい、今この記事を読んでいる“あなた”も。

試験にさえ受かれば、明日から 「私は保険のプロです! お任せください!」 って言えちゃうんです。 冷静に考えて、これってちょっと怖くないですか?

「保険代理店」ってどんな仕組み?

募集人が働く場所には、大きく分けて 「保険会社(直販)」「保険代理店」があります。

昔ながらの「生命保険会社の営業職員」 いわゆる“生保レディ”。

最近ではサラリーマン型の採用も増えましたが、 「母親が生保レディ」「知人の紹介」といった経緯で入社するケースが今も多いです。

昔は、住所不定の外国人を雇っていたなんて話もあるほど。

“生活に困っている人なら頑張るだろう” “とにかく数を集めたい” そんな採用方針から、この形ができあがってきました。

要は知り合いに”生保レディ”いたら私もなれる・・・というハードルの低さです。

最近の主流「保険代理店」

今では複数の保険会社の商品を扱える「代理店」が主流です。 1人からでも始められるので、 「会社に縛られず自由に保険を売りたい」と独立する人も少なくありません。

手続きも簡単。 取引する保険会社を1社選び、登録してもらうだけ。 複数社を扱いたい場合も、ほぼ同じ手続きです。

不動産会社が副業で代理店をやっていたり、 異業種の経営者が「ついでに」保険を扱っていることもあります。

つまり、誰でも、思い立てば“保険販売業”を始められるのが現実なんです。

こうして、誰でも簡単に資格が取れて、 誰でも代理店を立ち上げられる仕組みができあがりました。

誰でも始められる“構造”が、お客様を危険にさらす

一見、参入しやすくて良さそうに思えます。 でも――この「誰でもOK」な構造こそが、 お客様の不利益を生み出す最大の原因です。

保険は、金融・税制・社会保障の知識が複雑に絡み合う分野。 それを理解していない人が、 「売りやすい商品」「高い手数料がもらえる商品」を優先して勧めてしまう。

その結果、契約者は老後資金を減らしたり、 本来受け取れるはずの保障を失ったりしてしまいます。 そして本人は――そのことに一生気づかないこともあるんです。

あなたの保険担当者は「きちんと知識のある人ですか?」

次回の記事では、実際に私が現場で見てきた 「知識不足の募集人が顧客を不利益にする瞬間」を3つ紹介します。来週も楽しみにしていてくださいね!

※インスタでも保険業界の裏話や基本の保険の知識をお話していますので是非見てくださいね! ライフプランニングのインスタグラム→→ Instagram

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