知らないと損する!医療保険が支払われないケースと“選定療養”の扱いとは?

保険

「せっかく医療保険にはいっていたのに、支払いの対象じゃなかった!!」こんな声をお客様から実際に聞くことがあります。

その理由の一つが「自由診療」と「選定療養」の違い。実はこの2つ、保険の支払いに大きな差があるんです。

今回は医療保険がカバーしてくれる範囲や、誤解されやすい自由診療・選定療養の違いについてわかりやすくご紹介しますね。

医療保険は“どんな治療”に支払われるの?

自由診療とは?保険がきかない治療のこと

自由診療とは、公的医療保険(健康保険)の対象ではない治療のことです。例えば

  • ・海外の治療薬を使った先端医療
  • ・保険未承認の検査機器を使った検査
  • ・高度ながん治療(免疫療法など)

これらは保険のきかない「自由診療」となり、費用は全額自己負担となります。

保険会社の「給付条件」との関係

昔の民間の医療保険は88種の特定の手術を対象としており、公的医療保険制度の対象かどうかを問わないことが一般的でした。しかし、現在、民間の医療保険は、多くの場合「公的医療保険制度の対象となる治療かどうか」を基準に、給付の可否を判断しています。公的医療保険制度と連動している手術を対象とするようになってから対象手術は約1000種類といわれています。これにより保障対象となる手術の範囲は広くなりました。

一方で、言い換えるなら「自由診療」は公的医療保険制度と関係ないので、民間の医療保険では一般的には「支払い対象外」となってしまいます。

選定療養とは?自由診療とは違うってホント?

選定療養って何?差額ベッド代や予約診療はどうなる?

「選定療養」って言葉をきいたことがありますか?

従来から、日本の医療制度では、「公的医療保険制度対象の治療」と「自由診療の治療」を同時に行ういわゆる「混合診療」が禁止されています。

たとえば、”入院費用は公的医療保険制度の対象にして、その入院中に自由診療の手術を受ける。”というような場合です。この場合は、入院費用も全額自己負担しなければなりませんでした。なぜならそれを認めてしまうと使う人が増えすぎてしまうことによる「治療の平等性」「医療費の財源の不安定さ」「治療の安全性が保てない」などの理由が挙げられるからです。

しかしながら、実際には自由診療にも有効な治療は多いので治療をうける患者の費用負担を減らすために特別な制度が設けられています。

それが「選定療養」です。

選定療養は、例えば”差額のベッド代など全額自己負担のもの公的医療保険制度対象外の費用”に関して、公的医療保険制度対象の治療などと一緒に行ってもよいという制度です。これは認められている治療や費用に関しては公的医療保険制度対象の治療は3割などの自己負担、そうでない部分は全額自己負担と混合して利用することができる仕組みです。

そのようなものが選定療養の対象になっているかというと

  • ・個室などの差額ベッド代
  • ・時間外・予約外来診療費
  • ・歯科の金合金等
  • ・白内障の多焦点レンズ代金

です。初めて聞く言葉かもしれませんが、普段の医療行為の中でよく受けるものも実は”選定療養”なんですよね。

評価療養もある

ちなみに選定療養に似ているのが「評価療養」というものです。

これは先進医療などが当てはまります。

この評価療養の際にも健康保険対象部分と全額自己負担部分の混合治療が認められています。「今後保険給付の対象とすべきものであるか否か」について評価が必要な医療技術として、厚生労働大臣から指定された療養です。

具体的には

  • 先進医療(高度医療を含む)
  • 医薬品の治験に係る診療
  • 医療機器の治験に係る診療
  • 薬事法承認後で保険収載前の医薬品の使用
  • 薬事法承認後で保険収載前の医療機器の使用
  • 適応外の医薬品の使用
  • 適応外の医療機器の使用

などが挙げられます。これらは技術料などが比較的高額になることが多いです。また民間の医療保険も支払い対象外ですので「先進医療特約」や「自由診療抗がん剤特約」など一部対応している特約を持っておくことが大切です。

こんな場合どうなる?具体的な支払い事例

入院して個室にした場合の扱い

病院の都合ではなく、自分の希望で個室に入院した場合、その差額ベッド代「選定療養」となり、差額ベッド代は全額自己負担だけれど、それ以外の入院費用・治療費公的医療保険対象となります。

入院中の治療が公的医療保険制度対象であれば民間の医療保険の手術の給付金も支払われます。

自由診療の白内障の手術をしたら?

白内障の手術については、手術費用は健康保険対象です。しかし使用するレンズは対象・対象外のものがあります。

例えば「単焦点レンズ」公的医療保険制度対象ですが「多焦点レンズ」は対象外となります。このレンズに関しては「選定療養」の対象治療となりますので差額レンズ代だけが全額自己負担となります。民間の医療保険に関しては、手術自体は公的医療保険制度対象なので入院・手術の給付金が支払われます。

ただし、国内未承認の海外レンズを使用する場合選定療養対象外のレンズとなりますので手術費用も全額自己負担、民間医療保険は支払い対象外となりますのでご注意くださいね。

自由診療の抗がん剤をつかったら?

がん治療で、健康保険対象の抗がん剤治療では副作用も大きいし効果もでるかわからない。それならば、最先端の海外の未承認薬を使ってみたい!という場合はどうなるのでしょうか。

この場合はまず個人で薬剤を輸入し、それを使用してくれる病院で投与を受けることになります。治療自体が自由診療ですので費用の全額が自己負担。また民間の医療保険も支払対象外となります。ただし、自由診療治療の特約が付いていれば、決められた病院で決められた抗がん剤の処方であれば薬剤代は全額保障されるものも最近は出てきています。こういったものも加入しておけば安心ですよね。

まとめ:保障されない部分もあるからこそ保障の見直しが大切

ここまで自由診療と選定療養についてご紹介してきました。少しまとめると、民間の医療保険の支払い対象となるかどうかはこのようになります。

  • 自由診療→入院も手術もそのほかの治療もすべて民間の医療保険支払い対象外
  • 選定療養や評価療養→入院、手術(公的健康保険連動のものに限る)に対して、原則的に民間の医療保険支払い対象

日本の公的医療保険制度や医療技術は日々変化&進化しています。それにあわせて民間の医療保険もより使えるものへと変化しています。

医療保険は基本、公的健康保険制度を基準にしながら、より多くの方が利用するであろう医療技術への備えを準備しています。ですので、「世にあるすべての治療をカバーできる魔法の保険」ではありません。特に自由診療や選定療養の扱いについては正しく知っておかないといざというときに「出るとおもってたのに!!!」ということになりかねません。

だからこそ、「今入っている保険はどこまでカバーしてくれているのか?」確認するための定期的な契約内容チェックは必要です。不安な点があればぜひプロに相談してみてくださいね!

今回は選定療養についてご紹介させていただきました!これからも皆さんのお役に立てる情報をどんどん発信していきますので是非楽しみに待っていてください。

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