はじめに
前回の記事では、「保険募集人の資格制度と代理店の仕組み」についてお話ししました。
今回は、その続きです。
知識のない募集人に任せると、お客様にどんな不利益が生じるのか。
私は毎日代理店でさまざまな募集人を見ていますが、正直、見ていてハラハラする瞬間が少なくありません。
今回は、現場でよく見かける「知識不足の募集人の裏側」と、それで起きる「お客さんの損失」を3つのケースで紹介します。
知識不足の募集人の裏側とお客さんの損失

“とりあえずこの商品”で家計のムダを生む
わたしが普段一番、募集人からよく聞くフレーズ。
「他にもいろいろあるけど、この商品しか売ったことない…」
保険の加入を勧めるとき、知識のない募集人がよく口にする言葉です。乗り合い代理店には多いところだと20社以上の保険会社が乗り合い、取り扱う保険終類は100以上を超えるので、確かに全商品覚えている人なんていないです。でも、こういうフレーズの人の怖いところは「売りなれた商品でいいやろ。手続き楽やし」で済ませることです。
こうして、最新の保険を教えてもらえなかったり、必要な保障や加入のバランス考えてもらえず、とりあえずな契約を進められてしまうことがあります。
結果として、
- 毎月の保険料が高くなる
- いざという時に使えない
- 見直しができない状態にされている
「入って安心」どころか、いざという時に資産を守れず無駄な保険になってしまうことがあります。
“利率がいい”に惑わされて資産が増えない
募集人が魅力的な数字を提示して勧めることもあります。
「目標額ターゲットに大体2年くらいでタッチします」
「この保険、6%の推移なら返戻率120%です!」など。
一時払商品や変額保険にありがちなフレーズ。それ自体はいいんです。私も使います。どんな募集人が使っていると怖いかというと、マーケットの知識がないけど保険会社や周りの募集人の受け売りで提案している募集人です。
そもそも外貨建ての一時払終身ってけっこうリスク高いって知ってます?そのリスクちゃんと語ってくれてますか?
たいがいこういう募集人さんは自分のブームがあって、その時の保険会社の担当が懇切丁寧で設計打ったり申込書そろえたりいろいろしてくれるから、今は「この商品♪」って売ってることが多いです。
あなたのその保険、本当だったらもっと資産を増やすいい方法があったかも・・・。
複数社扱えると言いつつ、手数料優先の提案
代理店の募集人はよく「うちは複数社扱ってます」と言いますが、実際は…
「〇〇社は手数料が高いからそれ提案しよう!」というのがほとんど。
最近私の知り合いで元証券マン募集人に「どこの変額保険がおすすめ?」って聞いたところ「運用結果は運なんで、手数料高いならどこでもいいっす!」って言われました笑
本来、複数社扱える代理店で相談するお客さまのメリットって「自分に合った保険を選べる」ことなはずですよね。しかし、実際にお客さまの前に出てくるのは2社くらいの『手数料が高い』保険なんです。
もちろん、すべての募集人がこうではありません。
お客様のニーズやライフプランに合ったものを一生懸命探している人もいます。わたしもよく「ほかにどんな保険がある?」って聞かれますよ。そして、埋もれた名品(?)を紹介すると「手数料が低くてもそれにするわ」っていう募集人もいます。
知識があまりない人、もしくは大きな金額の保険を動かす募集人ほど「手数料1番」な人は多い気がします。(保険会社営業時代、商品よくても手数料が他社に負けてると売ってもらえなかったですから。)
あなたの目の前にある商品は、誰得なんでしょうか!?
損しないためにどうすればいいのか?

お客さまが、損しないために大切なのは、募集人の“中身”を見抜くことです。
見抜くポイントは
- 提案に根拠があるか?
- 保険料を払えなくなった時のことを考えてくれているか?
- 他社との比較をしっかりしてくれるか?
これらの見抜くポイントを基準に、少しでも「あれ?」と思ったら、たとえその募集人の人柄がよくても契約するのは一旦待ちましょう。他の募集人に話を聞いてみるのも手ですよ。
保険は“人で決める”ものではなく“根拠で決める”ものです。あなたの大事なお金の問題なんですから!
おわりに

私は毎日、募集人の営業現場を見ていて感じます。
「お客さんは、知らないことで損している」「そしてたぶん一生、損してることに気づかないだろうな」
だからこそ、この記事を読んでくださったあなたには、知識を持つことで自分の資産を守る力をつけてほしいのです。
次回は、実際に「信頼できる募集人を見抜く3つの質問」を紹介します。
保険選びで後悔しないために、ぜひ押さえておきましょう。
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